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挫傷・打撲・肉ばなれの基礎知識bruise page

このページでは、接骨院の施術範囲の打撲や挫傷を中心に、肉離れや筋違い(すじちがい)など筋肉・腱の外傷や障害を含めた基本的事項を解説します。また、各傷病別には、専門のページを設けて解説します。

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挫傷・打撲・筋損傷・腱損傷の基本的病態

挫傷を広義の意味でとらえると、打撲も含まれます。
医学辞典では「挫傷とは、鈍体が作用して組織が圧縮されることによって生ずる損傷。」(注1)と記されています。 また、皮膚が断裂して開放性の損傷となっている場合は挫創(ざそう)として区別されています。
一般的に挫傷の内、皮膚及び皮下組織に打撃(打撲)による非開放性損傷を生じた場合を打撲(または打撲傷)と呼んでいます。

(注1):南山堂医学大辞典(株式会社南山堂発行)より引用

1.打撲 (皮膚・皮下組織挫傷)

いわゆる打ち身のことでどなたでも経験があると思います。一般的に打撲をすると皮下組織を傷つけ出血するため、皮下に出血斑(いわゆる内出血)が出現し、局所的に腫れてきます。また、打撲部分に限局した圧痛(押すと痛みを誘発する症状)を触知します。
打撲は、皮膚や皮下組織の非開放性損傷で、さらに深部の筋肉や腱、神経、骨などの損傷を伴わない単純な損傷です。皮下組織の損傷程度が大きい場合は、皮下組織内に血腫による局所的な腫瘤ができる場合があり、受傷後直ぐにその腫瘤を圧迫して吸収を促さないと、血腫が線維化してしばらく残存します。強い打撃や衝突による場合は、しばらく痺れや運動痛を感じることもありますが、そのほとんどは数時間程度で消失します。翌日まで痺れや運動痛を感じるようであれば、単純な打撲では無く、神経や筋肉、腱などの損傷を疑います。
一般的に単純な打撲の場合、患部を湿布と包帯で固定すれば1週間から10日ぐらいで治ります。血腫が著明で大きな腫瘤ができた場合は、軟性のラバーパットなどで圧迫固定をし、2週から3週を要します。

※ 皮下組織(ひかそしき)
皮下組織とは皮膚の真皮よりも深層に位置する部分で主に疎線維性結合組織(そせんいせいけつごうそしき)からなります。皮下組織は真皮 を支持する組織で血管や神経に富み、皮膚の代謝に関与します。また皮下組織は皮膚と共に、深層の筋肉や骨、内蔵などを外界から保護する役割があります。
皮下組織の多くは、脂肪組織が極めて発達し、脂肪層を形成しています。また、一部の皮下組織には、多量の平滑筋(へいかつきん)が存在し、この部分を肉様膜といいます。さらに横紋筋(おうもんきん =骨格筋)がみられる部位もあり、これを皮筋(ひきん)といいます。この皮筋は、顔や首に見られる表情筋(ひょうじょうきん)です。

2.筋挫傷(きんざしょう)

打撃やスポーツによる選手間の強い接触などで筋肉組織や筋膜組織の挫滅損傷を生じたものを筋挫傷、あるいは筋膜挫傷と言います。ほとんどの場合皮下組織の挫滅も伴い、打撲と同様の皮下出血が出現します。また、筋肉の損傷が著しい場合は、筋肉内の血腫がエコー観察機器などで観察されることもあります。
骨と密接した筋肉に血腫を生じると筋肉内に石灰質を形成する骨化性筋炎を発症することもあります。
筋挫傷の治癒期間は軽度のもので2〜3週、重度のものでは3ヶ月程度を要します。

※ 骨化性筋炎(こつかせいきんえん)
骨化性筋炎は、骨に密着する筋肉や靱帯、骨膜などの軟部組織の損傷部位に骨を作る細胞が侵入して骨化が起こる現象です。骨折あるいは打撲時の筋肉や骨膜、靱帯などの損傷により起こる外傷性のものと、過剰な運動療法により、筋肉や靱帯などの組織が、微細な損傷や炎症を生じた部分に起こるものがあります。
成長期では、骨新生が旺盛なため大人よりも骨化性筋炎を生じやすいといわれます。
骨化性筋炎を生ずると、硬直したように関節の屈伸ができなくなります。
通常は、安静にすることで骨化した組織が吸収されていきますが、関節の運動機能が強く阻害されるような場合は、手術による骨化した組織の除去を行います。

3.筋違い

「筋違い」は、筋肉の一過性の硬直、もしくは炎症による一時的な筋運動の障害です。具体的には、筋肉が緊張・収縮したまま固まった状態です。頚部や背部に起こることが多く、特に頚部や肩甲・背部に生じた場合を「寝違え」といいます。「筋違い」や「寝違え」は俗名で、医学的には筋違いを筋挫傷、寝違えを頸椎捻挫に含めています。
筋違いは、偏った姿勢のまま長い時間固まっているときに、元の姿勢に戻ろうとしても筋肉がその姿勢で固まって動かなくなった場合と、反射的な動きに対して筋肉が反発して縮こまり固まった場合があります。
筋違いは、その固まった筋肉が引っ張られる動きのみが制限されるので、殆どの場合は痛みの出る特定方向の動き以外は動きの制限がありません。
筋違いの治癒期間は、殆どの例で2〜3日程度で回復します。2週間以上長引く例もありますが、頚椎症などの骨・関節疾患や、糖尿病・膠原病・循環器系疾患などの代謝に係る疾患がある場合などを有する方に限ります。
また、インフルエンザなどの感染症で扁桃腺や頚部周囲のリンパが腫れた場合に、寝違えと同様の症状が現れることがあります。喉の痛み、咳、発熱などが同時に現れた場合は、これらを疑ってください。

4.肉離れ

肉離れは筋肉線維や筋肉を覆う筋膜線維に損傷が起こる外傷です。肉離れという病名は俗名で、医学的には程度の軽いものを筋挫傷、重度のものを筋断裂といいます。
筋肉の過伸張 あるいは筋肉自体の収縮力による張力の作用で線維や組織の微細な断裂を生じます。特に筋肉の急激な牽引に対し物理的に弱い部分で起こりやすく、筋肉や筋膜あるいは筋肉と腱の移行部で損傷を起こします。

5.筋断裂

文字通り筋肉が断裂する外傷です。接骨院で多く遭遇する筋断裂は、ふくらはぎ、大腿の後部(ハムストリング)、大腿の前面(大腿四頭筋)などに生じたケースです。原因の多くはスポーツ中にみられます。
部分断裂ならば安静・固定による保存療法となりますが、半断裂以上の重症では手術による縫合となります。
損傷した筋肉は萎縮して弱くなるのでリハビリが重要となります。

6.腱挫傷・腱断裂

腱挫傷・腱断裂は、打撲などの直達性外力や、筋肉の収縮による過剰な牽引張力、骨や周囲組織との摩擦などにより損傷が起こります。これら腱の損傷は発生機転により、外傷などによる急性損傷と、摩擦や牽引の反復により徐々に損傷が進む疲労性損傷があります。
打撲や摩擦などにより、断裂が無く炎症や疼痛などの症状が生じたものを腱挫傷、強い打撃や急激な張力により腱の断裂を生じたものを腱断裂といいます。
腱の損傷では、自然修復が困難で手術を要する症例が多く、自然修復しても後遺症として機能的障害が長期に亘り残存したり、損傷部位の再構築不全により再損傷を起こしやすい状態が残存するなどが見られます。また、微細な損傷を繰り返しているうちに腱が変性を起こし、突如僅かな外力で断裂を起こすなど再生不能な状態になる場合もあります。
接骨院で比較的多く遭遇する症例は、アキレス腱と上腕二頭筋長頭腱、肩関節の棘上筋腱、手の母指の長母指伸筋腱などに見られます。

7.関節挫傷

関節構成組織や関節周囲を取り巻く組織(靱帯、関節軟骨、線維軟骨、脂肪体、滑膜など)を打撃や衝撃などの外力により損傷したもの。尚、関節に伸展力や捻転力が作用して靱帯などの軟部組織を損傷した場合は捻挫といいます。
直達性の外力(打撲など)では、皮下組織や靱帯、腱、種子骨、骨の関節端などの損傷を生じます。皮下組織よりも深層の靱帯、腱、骨などを損傷した場合、関節包内のそんしょうでは、関節内にいわゆる水が溜まったり、出血による関節血腫が起こることもあります。また、関節包外での出血では骨化性筋炎を起こすこともあります。
介達性外力では、上肢の場合は手を突いて手関節、肘関節を痛めたり、肘を突いて肘関節や肩関節を痛めるなど、突き上げによる関節損傷が起こります。下肢も同様に、転落や飛び降りなどの衝撃やスポーツによる衝突などで、関節を末梢側より突き上げて痛めます。この様な突き上げによる関節損傷では、関節軟骨や線維軟骨の損傷、あるいは骨の関節端部分の骨折が多く、この様なケースでは再生能力の弱い関節包内損傷であるため、手術的処置を要する場合がほとんどです。
関節包内は、血管の侵入がほとんど無いため、損傷部分が変性を起こし、変形性関節症や線維軟骨の変性による関節症などの後遺症に至ります。

8.その他の挫傷

その他の挫傷として、神経挫傷、腹部内臓挫傷、骨盤内臓器挫傷、脳挫傷など、打撃や衝撃などにより生ずる挫傷があります。柔道の他、格闘技などのコンタクトスポーツの現場で見ることがある傷害ですが、これらは柔道整復師の専門外なので、以下に簡単に触れる程度とし、詳細は専門的なサイトに譲ります。

 神経挫傷
末梢神経組織を挫滅したもので、挫滅部周囲と挫滅部分より末梢の神経麻痺を生じます。その程度によっては、生涯後遺症として残る場合があります。

 腹部内臓挫傷
最も多いのは、腹部打撲などによる小腸、大腸あるいは腎臓、肝臓などの挫傷です。重症では、何れも死に至る場合があるので緊急を要します。

 骨盤内臓器挫傷
下腹部の打撲や骨盤骨折などにより、骨盤内臓器である大腸や子宮、膀胱、睾丸などを損傷することがあります。

 脳挫傷
転倒や打撲などで頭部を打ち、脳や脳膜(硬膜、くも膜など)を損傷したもの。緊急を要する場合がほとんどです。

 挫創 (ざそう)
挫傷の内、皮膚の開放性損傷(いわゆる出血性創傷)を伴う場合を挫創といいます。僅かな創面であっても雑菌の侵入により化膿したり、場合によっては蜂窩織炎 (ほうかしきえん)や「ひょう疽」などに至ることもあり注意を要します。

※ 蜂窩織炎(ほうかしきえん:フレグモーネ)と
ひょう疽(化膿性爪囲炎:指趾末節の蜂窩織炎)

表皮よりも深部の真皮や皮下組織で起こる感染症(急性化膿性炎症)を蜂窩織炎といいます。また、手指の末端や足趾の末端に生じた蜂窩織炎をひょう疽といいます。
蜂窩織炎は、連鎖球菌や黄色ブドウ球菌などの病原菌が外傷などによる皮膚の損傷部位より侵入して発症します。
スポーツでは、打撲や挫傷時の皮膚の創傷部位や運動時のウエアやパンツあるいはサポーターやベルトなどによる擦過傷部位より感染することがあります。
症状は、感染部位の疼痛とびまん性腫脹(ぼんやり腫れた状態)、発赤、熱感、体温上昇などで、症状が軽い場合は打撲や筋違いなどと間違えて見逃されることもあります。治療が遅れると病巣部に腫瘍を形成し、切開などによる排膿(化膿により生じた“うみ”を出すこと)を要します。また、血栓性静脈炎や敗血症に至ることもあるので、できる限り早期に治療を受けることが大切です。

挫傷の応急処置

挫傷の応急処置を行う場合、挫傷部位により対応が異なります。

 筋・骨格器系(筋肉・靱帯・関節・腱など)
筋・腱・靱帯や関節を痛めた場合、アイスパックや冷湿布などで冷やしてください。また、包帯や三角巾など固定具があれば患部を固定してください。
筋・腱の挫傷では、筋断裂(肉離れ)や腱断裂を生じている場合があるので挫傷部位の筋・腱を動かさないようにすることが大切です。関節周囲の挫傷では、靱帯断裂や関節水腫(関節に水が溜まった状態)を生じていることもあります。応急処置をしたら速やかに接骨院や整形外科で治療を受けてください。

 挫創の場合
傷口を消毒液で消毒し、ガーゼなどで被覆してください。出血のひどい場合は、傷口より心臓に近い側を軽くしばり(もしくは圧迫し)、傷口を押さえてください。いずれにしても、挫創では皮下組織に雑菌の侵入による感染症を起こす場合が多いので外科や整形外科の診察を受けてください。

 脳挫傷、内臓挫傷、神経挫傷の場合
これらの挫傷では、緊急を要する場合がほとんどで、絶対に患者を動かさないことです。そして、ただちに救急車などを呼び、救急病院等で治療を受けてください。

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